2022/11/20

眉毛食べ食べマン

 

・すずめの戸締まり

夫と見た。直後に出た感想は「疲れた」だった。なんかすげー疲れた。扱ってるテーマがテーマだからかな。当事者じゃないけどその時代の空気感は知ってるから。自分が当事者だったら最後まで見れないと思う。10年、20年、50年、時が経つごとにこの映画は「家族と男女の愛の物語」になっていく。我々が今衝撃を受けた映像表現は、ゆくゆくはただの背景として、ただの題材として、ただの歴史上の出来事として扱われるようになる。戦争を知らない我々と同じように。でも忘れるくらい、知らないくらい平和な方がいいのかもしれないね。

 

式日

見た。庵野秀明監督の映画。服装も言動も奇天烈な女と映画監督の男が出会ってなんやらかんやらある話。哲学的な会話と強烈な絵面に、こりゃサブカル人間が好きになるやつだなあと思った。カントクの立ち居振る舞い、いやそれ以外も全てが庵野そのものだったので可笑しかった。言ってることも全部庵野じゃん。登場人物の口借りて言いたいこと全部言ってるじゃん。原作がある(女役の俳優さんが書いた本らしい)ようだがカントクの語りは庵野のやりたい放題といった感じだった。

女の外見や仕草が本当に良くて、かなり強い影響を受けてしまった。これもサブカル人間の性。顔もドンピシャで好きな系統だったんだ……しょうがないだろう……。

 

メメント

見た。洋画。ちゃんと脳内で話を整理できれば理解できると思うが、記憶力が良くないのでググって図解されてるサイトを見てやっと明瞭に内容を理解できた。あとカタカナの名前全然覚えられないせいもある。ともあれ面白かった。次はインセプション見ます。

 

・白痴

読んだ。坂口安吾の短編小説。かなり短い。臨場感溢れる文章で、この時代には合わない芸術気質で無気力で死にたがりの、言わばデカダンな主人公が退廃的で良かった。けどなんかよく分からんかった。文章は理解できても内容が腑に落ちないというか。朝早くにながら読みしたからかな。コメダのモーニングの素晴らしさに気を取られてたかもしれない。トーストおいしいよね〜。

 

・悲しきモンスター

映画でもアニメでも本でも、何か腰を据えてひとつの作品を見ている時は安心する。逆に、無気力にボーッと無料で手軽に楽しめる短い動画の群やSNSを眺めている時間は無駄だと思ってしまう上に謎の焦燥感を感じる。この時間で映画やアニメが見れたのに、と思う。これは最近そういう何かしらの作品を頻繁に摂取するようになったからではなく、ずっと昔から。YouTubeTikTokもインスタもTwitterも、誰かが画面の向こうの我々を楽しませようとして作っているコンテンツで、決して無駄ではないことは分かっていて、それでも何か貴賎を感じてしまう。実際誰でもYouTubeの視聴者より読書家の方が教養があって深い人間だと思うでしょう。自分はいろんなユーモアを楽しみたいし、感情の動きを知りたいし、賢くなりたいし、賢いと思われたい!見栄のためだけに見てるわけではないけれど、正直1割くらいはある。名作を少しばかり見たところで人間性に変化があるわけないんですけどね。無限にインプットだけしてデカい顔しようとしている悲しきモンスターに慈悲はあるのか。