2022/11/12

昨日の分です

 

・病院

生まれてこの方悩み続けてきた手汗を止めるため、手掌多汗症手術のスペシャリストのいる都内の病院に行った。初めて降りた駅だったが大学生とサラリーマンしかいなくて場違い感がすごかった。

今回されたことは手掌多汗症についての説明、手術の説明、問診、検査。集団説明会だったので自分以外にも数人患者がいた。ここにいる全員自分と同じ悩みを持ってると思うと謎の安心感があった。みんな若くて恐らく10代と20代しかいなかったと思う。確かに歳とったら今更もういいやってなりそうだよね。あれよあれよという間に手術の日にちが決まってしまった。いや元々やるつもりで来てはいたんだけど。問診は当たり障りないことを聞かれて、検査は健康診断と大体同じで身長体重、採血、レントゲン、心電図など。全身麻酔だから麻酔科医の問診もあった。大体3時間くらいかかった。心電図撮る時足汗のせいでストッキングの着脱でアホほど時間かかるし、レントゲン用の検査服(?)着たら乳首くっきり浮いてて笑った。

問診の時、自分の前に並んでた大学生くらいの男性が診察室の引き戸閉める時人差し指1本で閉めてて「めっちゃ分かる〜!!!!!!!!!」って感動した。我々、手のひらと物の接着面をいかに減らすかが勝負なのよ。普通に掴むと触ったところ全部ヌルヌルビシャビシャになっちゃうから。日常生活で基本指先しか使わない。その光景が見れてなんかちょっと嬉しくなっちゃったね。手掌多汗症って症状軽い人も含めると人口の4%いるらしい。重症は1~2%って言ってたかな?意外といるんだな〜と思ったけどあんまり他人に言えないから知るはずないよね。分かるよ。

そんなこんなで手術は来月に決まりました。ドキドキ。全身麻酔な上に内視鏡だからあんまり怖くない。いや嘘、ちょっと怖い。楽しみだけど。

 

・公園

病院の近くに木と花壇とベンチしかない小さい公園があって、病院終わって15~16時頃行きたい場所について調べるためにちょっとそこのベンチに座った。周りにはスーツを着てスマホをいじるサラリーマン数人。彼らは何してんの???????仕事中じゃなくて???????????そんな長い休憩時間あんの??????いや別にいいけど……都会はいろんな会社があるね。

 

・パフェ

2000円のパフェ食った。パフェで2000円!?って思うだろ。自分も思った。なんかお上品な甘さで、がっつり甘いものが食べたかったからなんか、えーと、はい。おいしかったけどね。「砂糖です!!!!」って感じの甘さは無くて、ビターチョコと甘くない竹炭のクリームとフルーツの甘みがマッチしておいしかったけどね。けど、ね。思ってたのと違うだけなんだよね。

 

・沈黙

移動時間がかなりあったので積ん読を消化していた。読んだのは遠藤周作の「沈黙」。行き帰りで最後まで読めてしまった。往復6時間あるからね……。

あらすじ書くのでネタバレ嫌な人は読まないでください。

おおまかに書くと、鎖国中の日本にキリスト教を布教しに行ったポルトガルロドリゴ司祭が貧乏な信者たちに匿われながら政府からの逃亡を図るも元仲間のペラペラ人間キチジローの裏切りで捕まって、信者と仲間の死や棄教した師匠の姿を目の当たりにし、最終的にどうなるのか……という話。

自分が一番語りたいのは、「ユダ」に対する感情について。主人公であるロドリゴ司祭は、キリストがユダに裏切られたとき、「去れ。行きて己の成すことをなせ」と言ったというエピソードにずっと疑問を感じていた。裏切ったとはいえなぜあのように愛あるお方がそんな冷たい言葉を投げかけたのか。彼の師匠によるとキリストの愛ゆえの行動らしい。日本に来てからの極限の生活の中キチジローという「ユダ」の裏切りに遭い粗末で酷い収容生活を強いられるが、キチジローは拷問にかけられる直前のロドリゴ司祭に懺悔を聞いてくれ!と懇願しながら追いかけに来る。コイツはマジのペラペラ人間で、酒ばっか飲んで、他の信者にデカい態度を取り、踏み絵を拒否して拷問の末死ぬ信者を横目にキリストを踏んだことが2回くらいある。金に目がくらんでロドリゴ司祭の居所をチクったのに許しを請いに来ては政府に捕まりまた踏み絵をする信念のなさに、ロドリゴも読者も終始イライラさせられる。コイツが一番人間らしいといえば人間らしいんだけどね。それなのに最終的にロドリゴ司祭はキチジローを部下にしている。キリストのユダへの愛が理解できたのかもしれない。隣人愛ってすげー。キリストもユダを愛していたのかな。

タイトルの「沈黙」というワードは「信者がこんなに辛い仕打ちを受けているのに何故神は救ってくれないのか、何故沈黙しているのか」というロドリゴ司祭の嘆きから取られていて、作中に何回も出てくる。信仰を持たない自分にとっては、神なんかいないからそんなの当たり前で沈黙以前の問題だろと思ってしまうが、彼ら信者にとってはなんて残酷な結果なんだろう。神に身も心も捧げたというのに。信仰こそ無いが、宗教というものは素晴らしいと思っている。自己責任論は人間にとって荷が重すぎるから。苦痛を神という「他者が」与えた試練としたり、いずれ良い方向に「他者が」導いてくれると考えるのは楽だから。それでもこの作品を読むと宗教に対する不安感がマシマシになる。実際、作中でロドリゴ司祭の胸にキリストに対する懐疑心がよぎる場面もあった。それでもキリストへの愛はずっと持ち続けていたし、他者には理解されないけどあなた(キリスト)だけが分かってくれさえすればいい的なことも言ってた。やっぱ宗教って素晴らしいわ。ここまで人間を狂わせるなんて。

というわけで終始陰鬱で嫌な気持ちになる作品でした。思い返せば海と毒薬も暗い話だったっけ。心に余裕があるとき読むのがオススメです。

 

・電車

夜の電車が嫌いだ。鬱が一番ひどかった頃電車通勤で、真っ黒な窓の外とは対象的な目に痛いくらいの蛍光灯の白い光の中で揺られながら泣いた帰りの電車を思い出すから。誰かがいれば大丈夫だが1人だとどうもダメ。泣きそうになる。しかも読んでる本の内容もアレだし。でもあの頃より多少メンタル良くなってるから泣かずにいられた。いつまであの頃を引きずるんだろうね。